甘い唐辛子


3時間立ちっぱなし、話しっぱなし、気を使いっぱなしでヘトヘトになって家に帰った頃にはすでに、日にちが変わっており、俺は直ぐにベッドに倒れた。

電源が切れたように一瞬で現実から意識を離した。





――――――――――

ここは……

知らない場所?

いや

俺は知ってるはずだ

目の前に広がる草原と青空
ところどころにはタンポポが満開に咲き、黄色い笑顔を太陽に見せている


どこ…?


覚えてないな……


なんだ?


向こうからいきなりの突風
草原のおかげで目に見える風の通り道は、こちらに向かって延びてきている

草が舞い上がり、タンポポの白い種が宙を舞う


……えっ……


タンポポの冠を作り、頭に乗せてる、
髪の長い女の子



女の子の隣で、愛しそうに見つめる
女の子と同い年くらいの男の子



直ぐにわかったのは

女の子が霞澄だと言うこと


あの瞳、顔立ちは霞澄そのもので……


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