甘い唐辛子

――――――――――

「姐ちゃん!!」

「虎太郎。」


食事をする場所は藤成のあの教会のようなリビング。

玄関から入ると、すぐに聞きなれた足音が聞こえ、よそ行きの格好をした虎太郎が姿を現した。


「姐ちゃんっ、久しぶり!!」

「あぁ、久しぶり。」


抱きついて来た虎太郎を受け止め、柔く抱き締めてやる。


虎太郎はそうされることが好きだと、知っているからだ。


「虎太郎、今日はお客さんも一緒なんだ。だから、そろそろ離してくれ。」

不満そうな虎太郎を自分から離し、後ろにいる維十に虎太郎を紹介した。


「私の腹違いの弟だ。虎太郎、自己紹介して。」

「…はじめまして、藤成虎太郎です。」

「はじめまして。海堂維十です。」


その時、その場の空気が一瞬乱れたのを感じたのは、気のせいだろうか…?
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