甘い唐辛子

Side:カズミ


海堂の家に来て2日。
維十が意外と優しい事が判明した。
あと、不器用なのも。


海堂の組員達は、私の存在に戸惑っている様だが、維十が居れば何とか乗り越えていけそうだ。

ただ心配なのが、5日後の日曜日にあるパーティーだ。
知り合いの組長夫婦も何組か出席するらしいし、もちろん親父も、海堂の組長も出席する。
その場で婚約したことを発表するのは、少し不安要素があり…
行きたくないのが本音だ…

その2ヶ月後には入籍…
その日、私は本格的にこの組の人間になるんだ…。


そう考えると、自然とため息が出る。


「どうした?」
突然かけられた声に顔を上げれば、キョトンとした維十の顔。

私達は町中の高級ブランドが並ぶ店に居て、私は椅子に座り、維十は私の前でひざまずいていた。

よく見ると、私の足には真白の靴が履かされていて、今、試しに履いている途中だったのを思い出した。

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