溺れる唇
「付き合ってたって言っても、
まだ大学生の頃よ」
何年前か・・・と考えて、流れた
時間に気が遠くなる気がした。
私はちゃんと大人になっているだろうか?
無駄に年を重ねて来てはいないだろうか?
今までの時間を振り返ってみたが、
あまり自信は持てなかった。
「だからね、同じ会社にいるなんて
知らなかったの。この間、トラブルで
呼ばれて行ったら、そこにいて・・・
びっくりしたのよ、本当に」
「三浦さんも知らなかったんですか?」
「そうみたい」