溺れる唇

ぷっと吹き出しそうになったのを、
慌てて我慢したのだけれど。

私の考えていることが伝わったのか、
缶コーヒーを持つ手を下ろし、
はーっとまた大きなため息をついた。

「・・・もういい」
「もうよくない。言いかけたのに
やめられたら、気になるじゃない」

裕馬はまた、ため息をついて、
膝と膝の間に頭を落とした。

「こーゆーのが“翔子”なんだよなー」


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