溺れる唇

「は?」

なんだかとても、失礼なことを
言われている気がする。

問い詰めようと一歩踏み出すと、
裕馬の頭が勢いよく上げられた。

正面から、目を合わせて笑う、
まだ見慣れない、懐かしい顔。

「明日の夜、空けといて」
「明日の夜?」

なによ急に、と言わせない強引さ。

これは、昔にはなかったものだ。


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