【完】俺だけを愛して溺れろ。



「まぁ、まぁ。そう、カリカリするなって」



『(誰の所為だと思ってるのよ)』



あたしはソファーに鞄を投げ捨て、コートをハンガーに掛ける。



「あっ!そうそう」



『(あー、一人になりたい)』



「今日、明日。ここに泊まるから」



『……』



うん、アレだね。



聞こえなかったことにしよう。



何事もなかったかのように、この場を――…



「拒否権はなしだから」



…――凌げなかった。


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