【完】俺だけを愛して溺れろ。



「っ、凜?」



『そろそろ、行かないと』



「俺、凜に――…」



『じゃあね!蒼空』



そして、笑顔のまま踵を返す。



蒼空はあたしに何か言おうとしていたけど、遮ってしまった。



いや、怖くてわざと遮ったの間違いか……。



結局、肝心な気持ちを自分の口から伝えることが出来なかった。



『(蒼空はあの手紙を読んでくれるだろうか)』



あたしは昨夜に書いた手紙の内容を思い返す。



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