【完】俺だけを愛して溺れろ。
“蒼空がいつも使っている香水だと思って買ったんだけど、合ってるかな?”
本当は確信している。
間違えるわけがないじゃん。
“その匂い、あたしも気に入って買っちゃった。お揃いだね”
バカップルかっ!
つい突っ込んでしまったあたしは、思わず口元を緩める。
“あたしは、蒼空のことが好きだった”
“蒼空の隣、居心地が良くて”
“毎日が賑やかで、退屈しなかった”
笑みは消え、下唇を噛み締めながら地面と見つめ合う。