【完】俺だけを愛して溺れろ。



まぁ、言葉使いに若干の誤りが生じるが(わざと上から目線にした為)、内容は間違いない。



さて、何と返答しようか。



いつもなら、犬のように尻尾を振って首を縦に振るのだが……。



今回はそういうわけにはいかない。



今、あたしにとって大事な賭けをしている。



何としても、中島にあたしのことを嫌いになってもらわないと、今後の人生に支障が出る。



ここは、無言で立ち去るのが――…



「俺、手強いよ?」


『……』


「本気で嫌われたいなら、後で策をめぐらせろ。今は、損得だけを考えなよ」



中島は口元に綺麗な弧を描く。


< 43 / 357 >

この作品をシェア

pagetop