【完】俺だけを愛して溺れろ。
まぁ、言葉使いに若干の誤りが生じるが(わざと上から目線にした為)、内容は間違いない。
さて、何と返答しようか。
いつもなら、犬のように尻尾を振って首を縦に振るのだが……。
今回はそういうわけにはいかない。
今、あたしにとって大事な賭けをしている。
何としても、中島にあたしのことを嫌いになってもらわないと、今後の人生に支障が出る。
ここは、無言で立ち去るのが――…
「俺、手強いよ?」
『……』
「本気で嫌われたいなら、後で策をめぐらせろ。今は、損得だけを考えなよ」
中島は口元に綺麗な弧を描く。