あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
 むきーっと怒っている美雪ちゃんを、優衣ちゃんが宥めている姿を眺めながら、私は霧島君からきたメールを開いた。

『三崎に確認にした。行き違いがあったようだ。公開練習を見る見ないの決定は園崎自身でしてくれ。三崎に意見する権限は無い』

 霧島君らしい返答だった。

 今朝、学校に行く前に、気知りま君にもう見に行かないとメールをした。

 その返事が、これだ。

 安易に答えを出さずに、三崎さんに確認をしてから返事をしてくれる。

『見に来るな』とも『見に来て良い』とも、霧島君の意見は無い。

『本当は見に来てほしいけどね』くらいの霧島君の気持ちが欲しいとか思ってしまうのは我儘なのかな?

 霧島君は、どう想っているんだろう?

 私が公開練習に見に行くのを、迷惑だって思っているのだろうか?

 それとも嬉しいって思ってくれているのか? 霧島君の気持ちが知りたいよ。

『霧島君はどう想ってるの? 私が見に行くのは、迷惑なのかな? 先輩たちに良い印象を与えないで、霧島君の立場が悪くなるようなら私はもう……行けないよ』

 私はメールを打つと、携帯をパタンと閉じた。

 返事を見るのが怖いけれど、霧島君の気持ちを聞きたいから。

 
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