あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「ど、して……。選抜がダメだったんですか?」
「いいえ。それは上手くいきそう。侑のレギュラーも夢じゃない。でも、今回はたまたま上手くいきそうなだけ。今後の侑のバスケを考えるなら、今のうちに」

 わかるわよね? と言わんばかりに三崎さんが眉を引き上げた。

 今のうちに……別れるってことだ。お互いに傷の浅いうちにって。

 付き合う前より、今のほうが会えなくて辛いのに。どうして。

「私も責任を感じてるの。大学で引き合わせたこと。あれが無ければ、付き合うとかそういう話になってなかったでしょ? 高校のときから嫌な気はしてたんだよね。マネになって、すぐに辞めて。結局、侑を振り回しただけ。侑はきっと言わないから言っとくけど。貴方がマネをやった後、先生から風当たりがすごかったのよ。部活を辞めたあとも。成績が落ちる度にお前のせいだって。貴方のT大合格までずっと、よ」
「……えっ?」

 知らない。
 そんな……。霧島くんのせいじゃないのに。
 私の勉強不足なだけ。

「これからもそうなるんじゃないかって不安になる。今は学校が違うからいいけど。何かあなたのことであるたびに、侑のパフォーマンスの質が落ちるようなことがあっては困るの」
「ごめんなさい……私、別れたくない」

「は? 言ってる意味、わかってない?」

 イラっとする三崎さんの顔つきが険しくなる。

 わかってる。
 でも別れたくない。
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