あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「三崎に会えた?」と何も知らないバスケ部員の一人が声をかけてくる

私は首を振ると、作り笑顔を見せる

「行ってみたけど、人影がなくて…行き違いだったのかな?」

声が震えてる

もっとしっかりと言わないと、泣きそうになっているのがバレちゃうよ

「そっかー。じゃあ、部室のほうだったかなあ?」

部員が首を傾げながら、頬をぽりぽりと掻いた

ちゃんといました…霧島君と一緒に

ただ私が聞いちゃいけない話を二人がしてたんだ

だから『居ました』って言えなかったんです、ごめんなさい

心の中で、部員に謝ると私はがっくりと肩の力を落とした

たった一日の部活だったなあ

霧島君に近付けたかと思ったけど、また遠い存在になっちゃうのかな

教室で、見ているだけの人

遠くでキラキラと輝いている人

残念だけど、仕方ないよね
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