あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「じゃ、また来週な」と霧島君が改札口で、手をあげた。

 私はうん、っと頷くと、霧島君にむかって手を振った。

 霧島君の目が下におちてから、心配そうな表情になる。

「やっぱ、家まで送るよ」

 切符を手の中にしまいこんだ霧島君が、改札口を離れる。

「ダメだってば。次の電車が最終なんだから!! これで帰らないと明日の練習に間に合わないんでしょ?」

「そうだけど。足の指先が真っ赤だ。歩いて帰るには酷だろ」

「大丈夫。タクシーで帰るから」

 私は鞄を振った。

“ちゃんとお金は持っているよ”とアピールした。

 私がぎりぎりまで一緒に過ごしたいからと、家まで送ろうとしていた霧島君の意志を却下した。

 だから、これ以上は心配をかけたくない。

 練習に響かないように。終電で、必ず帰ってもらわないと。

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