あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
 タクシー乗り場を通り過ぎ、ひりひりズキズキと痛む足を引きずるようにして私は家路につく。

 暗い夜道を歩くのには、あまり慣れてない。

 大学生になれば、夜遊びにもなれて、夜道を歩くのも平気になるんだと勝手に思ってたけれど。

 自分は、大学生らしい生活とは無縁だったというのに、今更ながら気づいた。

 夢に描いていた大学生活とは、ちょっと違うけど。私は幸せだ。すごく幸せ。

 無理だと思っていた霧島君との恋愛ができるんだから。

 霧島君が私の『彼氏』なんだ。

 信じられない!!

 私の彼氏が、あの霧島君だなんて。

 私は電灯の下で足を止めると、こみあげてくる幸せをかみしめた。

 足が居たくなければ、飛び上がって、喜びたいくらいなのに。

 私は「ふう」と息を吐いて、心を落ちつかせると前を向いた。

「タクシーで帰るって言ったのは誰だっけ?」

 突然、背後から声がして、私は振り返った。
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