あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「き、霧島君!? どうしてここに? 電車は? 終電が……」

 私は慌てて、鞄の中から携帯を出すと時間を確認した。

 遠くでガタンガタンと電車が走っていく音が聞こえる。

 どうやら終電が発車したみたい。

「ホームから、タクシー乗り場を通過して行く園崎が見えたから。そんな足で家に帰れると思ってるのかよ」

 霧島君が私の足を指でさした。

「が、頑張る」

「痛くて、足を止めているのに?」

「あ、今……止まったのは」

 こみあげてきた幸福感を、じわじわと実感したかっただけで。

 痛くて足を止めたのとはちょっと違う。

 でも霧島君は勘違いしているようだ。私が痛くて、動けなくなってしまったと思っている。

「まだ、平気だよ」

「『まだ』? そのうち限界がきたらどうする? それが家につく前だったら?」

「えっと……」

 私は何か良い言い訳はないか考えた。が、霧島君を納得できるような理由はどれも思いつかなかった。

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