あなたを好きになってもいいですか?―初恋物語―
「でも、大丈夫だよ。どうにかなる」

「その足で、どうにかなるって本気で思ってる?」

 私は首を左右に振った。

 本気では思ってない。だけど霧島君の迷惑になりたくないから。

「ほら、おんぶするから」

 霧島君が、私の前でひざをついた。

「い、いいって。霧島君は帰らないと」

「終電はもう行った。次の電車は翌朝5時だ。今夜は実家に泊まって、早朝で帰るから。園崎は気にするな」

「き……気にするよ。終電で帰ってもらえるように……て」

「無理したんだろ? 金がねえのに。金を持っている振りして。タクシーで帰るとか、大口叩いて。駅から大して離れてもないところで、動けなくってるんじゃあ……意味ねえだろ」

「意味はある。霧島君が終電で帰ってたら……の話だけど」

 私は頬を膨らませた。

「終電で帰らなかったんだから、意味はねえのと一緒だ。ほら、早く来い」

 霧島君が、手のひらを動かして、催促してきた。
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