愛するということ
拓馬が来たのは、それから2時間くらい経った頃だった。


面会時間ギリギリになってしまったから、面会時間の延長の許可を得るためにナースステーションへ行っている時だった。


「隼人?随分寝ちゃったかな」

「そうでもないよ。2時間くらいかな。拓馬、来てるんだよ。そうだ、夕飯寝てるから取っておいてもらったんだ。食べる?」

「うん、食べたい。隼人は?食べた?」


『よいしょ』と体を起こした瞬の顔は、少し眠ったからか、スッキリしていた。



「うん、食べた。あ、ご飯温めてもらう?」

「ううん、いい。あー今日はハンバーグなんだ」



嬉しそうにハンバーグを食べ始めたところで、拓馬が入ってきた。


「お、瞬起きたな。メシまだだったのか。じゃあ、俺も一緒に食おうかな」


カバンからオニギリとサラダを出して、ベットの横に座る。


「拓馬、夕飯それだけ?ハンバーグ半分食べる?」

「いいよ。お前食べな。また痩せちゃって、いっそうまな板だよ」

「・・・。」


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