愛するということ
今日も、キャンパスへ向かう気にはなれず、かといって、顧問の先生の手前バスケの練習に出るわけにもいかない。


そのまま、家へ帰ることにした。



「何しに学校に来たんだろう・・・」




駅への道は、果てしなく遠く思える。
アスファルトから容赦ない熱が、弱った私の体にダメージを与えていく


暑さのために、頭がボーッとしてきた頃、携帯が鳴った





『今日、晩御飯何がいい?夕飯久しぶりに作るから ママ』




この暑さの中、買い物を免除され、地獄暑さのような台所での食事作りを免除されるといったメールに、さっきまでの重たかった頭は、急にスッキリし始めた。




――今日は、気になっていた駅前の雑貨屋を見て帰ろ!




さっきまでの重たい足取りは、見事にスキップでもし始めそうなほど軽くなっていた。

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