愛するということ
私が自分の中に起こった気持ちの原因を掴みきれないでいると、焦ったように、隼人が「ごめん、覚えてないよな。混乱させて悪かった。忘れて」と謝った。




隼人がこの話題を、終わりにしようとしているけれど、何か引っかかるものがあって、そのまま流すことができない。



「なんで、その話ししようと思ったの」

「えっ?・・・」


すごく困った顔をして、視線をこちらに向けてきたけど、何か観念したように視線を逸らしながら

「お前が、東野とのこと誤解してたら嫌だと思ってさ・・・」

「えっ?誤解?どんな誤解?」


意味が分からず続ける質問を次々にぶつける


「だから・・・俺と東野が付き合ってるって誤解してるんじゃないかと思って」


隼人の顔は、真っ赤になっている。


そんな隼人とは対照的に、頭の中がキーンと冷えてきて、やけに冴えてきた



駅前の雑貨屋・・・
ずっと行きたかった場所。

隼人と東野さん・・・


偶然会って、私は・・・



最初は、断片的にポツポツと写真のように思いだされていた記憶が、徐々に加速して、映像のようにつながっていく。
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