愛するということ
「瞬、もうやめたほうがいい。お前、顔色悪いよ。もし、大事な話だったらそのうち思い出すよ。」


隼人に促されて、ベットに横になる。

隼人に止められてからも私の頭は、そのことでスッキリしない。


「記憶って、今みたいに突然やってくるんじゃないか」


そう言ってやさしく微笑む隼人が頭を撫でてくれる。
たった、それだけでモヤモヤした気持ちがスッと流れて消えていくようだ。



「隼人、ありがとう」


隼人は『うん』と頷きながら、撫で続けてくれている。
その心地よさに、急に眠気が襲ってきた。



「疲れたんじゃないか。寝た方がいい」


「うん、そうする・・・」






「あとで、拓馬が来るよ。それまで何も考えずに寝ておけよ」

隼人が何か話していたけど、すっかり眠りに落ちた私の耳にはまったく聞こえてなかった。


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