愛するということ
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急に記憶を取り戻し始めた瞬に、焦ってなにもできなかった
そして、その引き金を引いたのは紛れもなく俺


いつかは、母さんのコトを話さないといけない。
あさって、退院して家に戻ったら、全て分かってしまうことだ。


昨日、拓馬と相談した。



今晩、全てを話そうと――



医者からは、何の後遺症もいまのところ無いと診断されていた
怪我は、順調に治ってきていて、骨折した足は自宅で療養しながらリハビリに通えばいいとのことだった。


瞬が、眠りについたコトを確認してから、頭を撫でていたてをそっと離した





外は、陽も落ちかけて、日中とは違う少し冷えた空気が、夏の終わりに近づいているコトを感じさせる。



スースーと寝息を立て始めた瞬の寝顔を見ながら、フッと幼い日の瞬の寝顔と重なった。
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