親友ときどき上司~熱風注意報~
『荘司、今、着いた。空港で待ってるワ。アタシを家に泊めない理由はナニ?誰かイル?』
女性は日本人ではない気がした。
流暢だが少し調子外れな日本語は外国人のように聞こえる。
荘司へのメッセージを残すのなら英語で構わないはずなのに。
それが何を意味するのか、瑞希は考えたくなくて頭を振った。
「だって、荘司は…?」
ゲイなんじゃ―――
本人に確認した事のない事実に、瑞希の体から血の気が引いていく。
今の電話は荘司にじゃない。
瑞希に向けられてかかってきたのだ。
荘司の家にいる誰かに向けてかけてきたものだ。
そして、その相手は荘司の家に泊まっていた相手。
瑞希が居る事で荘司は相手を断ったのだろう。
今夜、遅くなると言った荘司の理由が分かった。
勝手に仕事だと思っていた瑞希だが、彼女に会う為だったのだと気付く。
「空港って言ってた。遠距離なのかな…」
だから、荘司に浮いた話しがなかったのだろう。
だから、瑞希の為に時間を作れたのだろう。
彼女と離れて暮らしているから?