親友ときどき上司~熱風注意報~
ただの布切れとなって辛うじて背中に張り付いていたブラウスとキャミソールが、袖を残した状態で滑り落ちる。
ブラジャーだけと言う恥ずかしい自分の姿に、瑞希は慌ててブランケットを抱き締め、荘司から隠れるように背中を向けた。
「何よ、これ?…やっぱ、殺せば良かった…」
後ろから、舌打ちと共に地を這うような低い声と、物騒な言葉。
突然、立ち上がった荘司を振り返ると、怒りも露わに歩いてキッチンに入って行くところだった。
ガチャガチャと冷蔵庫を開ける音や、氷を砕く音。
キッチンの隣の洗面所の戸棚をバタバタ開けて、何かを探す音。
家主の許可なく勝手に何やら始めた荘司に、瑞希は首を傾げた。
数分で瑞希のもとへ戻った荘司の手には、洗面器とタオル。