親友ときどき上司~熱風注意報~
何よ。
問題あるでしょ。
男女が同じ屋根の下、なんて。
そんな風に意識している自分に、瑞希は溜め息を吐く。
きっと、荘司にしてみれば心配しているだけなのだ。
確かに、この部屋にいたくはないけど―――
あのキスだって、行きがかり状でしただけのもの。
それにあんなに感じてしまった自分が恥ずかしいが、優しい親友はそんな瑞希を軽蔑はしなかった。
軽蔑も何も、荘司は何とも思っていないように見える事に、
「お世話になります。」
と、意識している自分が馬鹿らしくなった瑞希は、ペコリと頭を下げて、コーヒーを啜った。