monopolize
『また1人?』



“しかも今日は泣いてるし…”そう呟くと、おでこにキスをする。



「恭汰っ!!?」

『ほら、帰んぞ』



手を掴まれると、引っ張られるように歩き出した。



いつも1人で帰ってた道。

龍二にこうして欲しかったのに、あたしの手を握るのは恭汰で…。



「バカじゃないの…」



“また”って何よ?

何であたしが1人だって知ってる訳?



『バカだよ…。お前が先輩しか見えないように、俺も麗奈しか見えねーんだから』

「じゃあ、あたしもバカって事?」

『あぁ、バカだね。こんないい男振ったんだからな…』

「何それ…」



気付けば、涙は乾いてた。



恭汰は優しいね…?

本当、バカが付く位ストレートだし。



『着いたっ』

「ありがと…」

『それだけ?』

「えっ?」



次の瞬間、あたしの口は恭汰の口で塞がれた。

優しいキス。

でもどこか違くて、胸がチクリと痛む。



『じゃあ、おやすみ』

「おやすみ…」



背中を向けながらヒラヒラと手を振る恭汰を見送ると、あたしも家に入った。


 
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