tearless【連載中】
“女の子って、買い物とか好きだよね”

“先輩は嫌いですか?”

“俺は…普通?”

“ハハッ”



結衣と雅貴先輩が笑いながら話す中、私はただ下を向いていた。

何となく、璃琥の視線を感じていたから…。

きっと、買い物が嘘だって分かってる。

そんな気がするの…。



『じゃあ私、彼氏待ってるんで失礼します』



その言葉にハッと顔を上げると“葵、また明日♪”手を振る結衣に“ありがと”そう答えた私は、校門に向かって歩く背中を見送った。



『じゃあ俺も帰るゎ。葵ちゃん、またね♪』



ペダルに足を掛けると、手をヒラヒラと振りあっという間に雅貴先輩も見えなくなる。

2人が居なくなった途端、残された私達の周りの空気がどんよりと重くなるのを感じ、完全に璃琥を見れなくなってしまった。

別に隠した訳じゃ無い。

結衣は気を遣ってくれただけ。

そう言い聞かせても、アイツとの事をまだ璃琥に話せずにいる私は少なからず罪悪感を感じてしまうのは仕方ない。

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