tearless【連載中】
今思えば、私達ってお互いの事何も知らないね…。

一緒に居ても、会話なんてありきたりなモノばっかで…。

璃琥も私も、あんまりお互いの事聞かなかった。

聞かなかったってより、聞けなかったのかも知れない…――。

璃琥に色々聞いて私にも同じ事ふられた時、ちゃんと答えられる自信無かったから…。



『いつでも来ていーから』

「えっ?」

『俺も1人だし』



呟くと体を起こし、また煙草に手を伸ばす璃琥。



「璃琥こそ親は?」

『どっかで生きてんじゃねーの?』



まるで他人事の様に言葉を放つと、口に加えた煙草に火を付け体をソファーに深く沈めた。

ただ前を見据えている瞳はとても冷ややかで、初めて逢った日を思い出してしまう…。



「逢ってないの…?」

『会ってねー。会いたくもねーし…』



“嫌いだから”吐き捨てると、ただ煙草をふかす璃琥に“ズキン”と胸が痛んだ。

何があったのか、何でそんなに嫌うのか。聞きたかったけどとても聞けなかった私。

璃琥が見せるその冷たい瞳が“もう聞くな”そう言ってる様で口に出せなかったんだ。


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