tearless【連載中】
―昼休み。

教室でお昼を済ませると、結衣と化粧直しをする。

これが私達の日課♪



『何か騒がしくない?』

「いつもじゃん」



でも、それにしては騒がし過ぎる…。

私達は化粧する手を止めると、ドアから廊下に顔を出した。



『…何これ?』

「さぁ…」



階段付近には女子ばかりが集まり、ガヤガヤと騒ぎ立てている。

まるで、有名人が来るかの様な異様な雰囲気に私の顔が引きつった。



『どーしたの?』



結衣が近くにいた友達にこの状況を聞くと、“璃琥先輩が来たって!!”そう話してるのが耳に入り込む。



あぁ…

朝、結衣が言ってたあの人か。

それにしても、本当に有名人みたい…。

私は知らなかったのに。



『葵、見に行かない?』

「私はパス」



“じゃあ、私行ってくる♪”満面の笑みで出て行く結衣を見送ると、ハァ…とため息をつき席に戻った。



周りの物事に興味を示さない私って、やっぱ冷めてんのかな?

昔は一緒になって騒いだりしてたけど、アイツに出逢ってから私は変わった。

変わるしか無かった…。

やることなすこと全て否定されて。

それでもあの頃は好きだったから従ってたんだよね…きっと。


 
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