tearless【連載中】
想い耽っていると、廊下の騒がしさが増し、お目当ての人物が来たという事が教室に居る私にも分かった。



「よくやるよ…」



って私ホント冷めてるし…。



静まり返ってから暫くすると、頬をピンクに染めて私の元に戻ってきた結衣。

その瞳にはハートマークが描かれていた。



『目の保養になるわ♪葵も来れば良かったのに…』

「そのうち見れるんじゃない?」



だって学校に居るんだし、女子が騒いでれば嫌でも気が付くよね…。

まぁ、基本的に興味無いけど。



『でね、璃琥先輩金髪で短くなってた』



“それがまた格好いいのなんのって♪”聞いてもいないのに笑顔で話しだす。



金髪か…。

脳裏に浮かんだのは昨日の光景で。

綺麗な顔に隠された鋭く冷たい目…。

あの瞳…アイツにそっくりだったな。



『あ―お―い―』



私の目の前で手のひらを上下させ“どーした?”そう言って心配そうに私を見る結衣。


 
< 13 / 230 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop