tearless【連載中】
ドアを開けると、ソファーから覗く金色の髪と白い煙。

この光景もいつもの事。



『袋…テーブルに置いた』

「うん…」



焦げ茶の少し大きめなダイニングテーブル。

イスは座る部分が白の革張りで、それ以外はテーブルと同色。

4つあるイスからすると、璃琥の家族は3人か4人かな。



「すぐ作るね?」

『ん…』



袋をキッチンに持って行くと、中身を出し準備を始める私。

やっぱり広いキッチンは使いやすい。

一式揃った調理器具は銀の光沢を放ち、殆ど使われていない様子だった。

コンロも4口で、シンクもうちの倍はあるだろう…。



「勝手に使うよ?」

『ん…』



いつも“ん”ばっか…。

金色の髪を眺めながら心で呟く。

とりあえず米を研ぐと炊飯器に入れて、スイッチを押した。

後は、肉じゃがと味噌汁。

で、私が食べたかったマリネを次々と作っていく。



「ちゃんと作るの久しぶり…」



友里はこれを毎日やってるんだよね…。

やっぱりすごいや…。



『いい匂いすんじゃん…』

「後少しだから」



こうしてると新婚みたい…って、何言ってんだろ…。

付き合ってもいないのにね…。


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