tearless【連載中】
「ありがと」



時々見せる照れた顔。

私はこの顔が大好き。

この時の璃琥だけは、すごく可愛いと思えるんだよね…。



『何笑ってんだよ』

「別に~」



“璃琥がすごい可愛いくて、顔が緩んじゃいました”



なんて、絶対言えない…。



『あっそ…』



怪訝そうな表情を浮かべながら私から視線を外すと、頭に置かれていた手は煙草へと伸びていく。

テーブルにある灰皿には吸い殻が4つ。

押し潰されたそれは、灰で薄汚れていた。

カチッ、という音と共にオレンジに色づいた煙草の先端部分。

ゆらゆらと昇る煙をなんとなく見ていると、独特の匂いが漂いはじめた。

この匂いも煙草を吸う璃琥の姿も、もう何度となく見ているのにドキドキしてしまう。

煙草を持つ指先。

煙を吐き出す口元。

どこか遠くを見ている様な伏せた瞳。

長い睫。

どれを取っても、綺麗で色っぽい…。



『髪…乾かす?』



ボーッと見つめる私にポツリ呟くと、体を背もたれに預け天井を見つめる璃琥。


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