tearless【連載中】
「乾かしたい…」

『ドライヤー、ベッドの上に置いてある』

「…ありがと」



視線を後ろにあるベッドに向けると“借りるね?”そう言ってソファーから立ち上がりドライヤーを取りに向かった。

大きな窓を通り過ぎ、左壁にピッタリくっ付いているベッド。

シーツも枕カバーも全て真っ黒。



“やっぱり大きい…”



部屋が広いから全然邪魔にはなっていないが、明らかに1人で寝るには大きすぎるサイズ。

…ダブルかな?

そんな事を思っていると、ふと目に留まったシルバーのドライヤー。

黒いシーツに包まれた掛け布団に埋もれるように、ひっそりと姿を見せていた。

それを取ると周りを見渡しコンセントを探す。



「あった…」



ベッドとクローゼットの間の壁に見つけた私はプラグを差し込み、床に腰を下ろすと髪を乾かし始めた。

ベッドに座ろうかとも思ったけど、何となく…ね。

静かだった部屋にドライヤーの音を響かせて10分弱。



「乾いた…」



髪の長い私は、乾かすのも一苦労。

手櫛で髪を整えると、フワッと香る璃琥と同じシャンプーの匂い。



「ふっ…」



思わず笑みを漏らすと、プラグを抜きドライヤーをたたんだ。


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