tearless【連載中】
「璃琥、ドライヤーどこにしまうの?」



立ち上がった私は、金色の髪に向かって言葉を飛ばす。



『クローゼット』

「開けるよ?」

『ん…』



クルッと後ろを向くと、ゆっくりとドアを開けていく。

ただのクローゼットなのに緊張してしまうのは何故なんだろう…。

体が入る位開けると、突然明かりがつき視界に入り込んできたのは広いウォークインクローゼット。

自動で電気がつくらしく、白く照らされた空間は服や小物などが綺麗に並んでいた。



「どこに置けばいいのょ…」



左には服が掛けられていて正面には3段の棚に小物がディスプレイされている。

右には半透明のカラーボックスが重ねられ何か入っているようだ。



「男の人のクローゼットとは思えない…」

『何か言った?』

「えっ!!?」



すぐ後ろから聞こえた声に振り向くと、璃琥がドアに手を掛け私を見下ろしていた。



「いつから居たの…?」

『ちょっと前』



クローゼットにすっかり気を取られ、後ろに居るの分からなかった…。



「で、ドライヤーどこにしまうの?」

『適当に置いとけよ』

「適当って…」

『そこ乗せとけ』



顎をクイッと上げ、カラーボックスの所に目を遣る璃琥。

言われた通りそこに乗せるとクローゼットを出た。


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