tearless【連載中】
顔を完全に上げ視線を合わせると、璃琥は“はぁ…”と、溜息をつく。



『やっぱりな…』



そうポツリと吐くと、次の瞬間私は璃琥の腕の中にいた。

シャツが冷たくて、でもその下にある肌の体温がジワジワと私の頬に伝わってくる。



『放っておけねーんだよ』



“そんな泣きそうな顔して強がんな”そう言って更に強く抱きしめられた。

…苦しいのに何だか心地よくて、目を閉じると璃琥の鼓動が私の体に流れ込んでくる。

規則的に脈を打つ心臓が私を更に弱くしていった。



「ごめん…」



こんなに心配してくれてたのに。

璃琥の優しさに気付いてたのに。



『…ったく。心配かけんなよ…』



頭をポンと叩くと、腕が緩み体が離される。

わずかに出来た璃琥との隙間に風が流れ込み、感じた温もりはあっという間に消え去っていった。


 
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