tearless【連載中】
『…ちょっと来い』



私の腕を掴み、いつも璃琥が曲がる道へと連れて行かれた私。



「どこ行くのっ!!?」

『こんな格好で学校行けっかよ』

「行けない…けど…」



行けないけど、だからって私をどこに連れてく気?

いつも、肝心な所が抜けてるんだよね…璃琥は。



これで4度目となる璃琥の背中を見つめながら、ただ引かれるままについて行く。



“…好きだよ、璃琥”



本人には絶対言えないけど、心で呟くと視線を足元へ落とした。



時間にして5分程だろうか?

璃琥はあるマンションの前で足を止めると、私の腕を離した。



いかにも高級そうな造りの建物。

自動ドアの中には高そうな壺や皿、生け花などが飾られている。

璃琥は躊躇うことなくその中へ入っていくと、慣れた様子でオートロックを解除した。



「ここに住んでるの?」

『そう…』



エレベーターを待ちながら一言だけ交わされた言葉。

璃琥の家って金持ちなんだ…。

なんて呆気にとられていると、目の前のドアが開き中へと乗り込んだ。



“…ん?私、璃琥の家に行くの?”



今頃肝心な事に気付いた私は、急に心臓がバクバクと鳴り始める。

璃琥といえば、顔色一つ変えずにボーッと前を見つめ扉が開くのを待っていた。


 
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