tearless【連載中】
『風呂場に乾燥機付いてるから適当にやって』



“分かんだろ?”そう吐き捨てると、またソファーに座り込む璃琥。

“分かんだろ”って…。

背もたれから少しだけ覗く金色の髪を見つめながら“こんな男に惚れた訳?”と自問自答…。

それでも答えは勿論“Yes”で、がっくりと肩を落とす。



「じゃあ、借りるね」



ハンガーと制服を握りしめると、再びバスルームに足を運んだ。



とりあえず服を引っ掛けると、そのまま浴室に恐る恐る足を踏み入れる私。

家の3倍はあるであろう広い浴室は、やはり白を基調とした造り。

大きい鏡にピカピカに磨かれた蛇口がキラリと銀光りしていた。

浴槽の壁にはTVが付いていて、覗き込むと黒い画面に私が映り込む。



「金持ちめ!!!」



悪態をつくと、そのまま顔を上にあげた。

壁と壁を繋ぐ様に棒が1本吊されていて、それに持っていた服を引っ掛ける。



「スイッチ…」



浴室を出ると、すぐ横の壁にあった色んな機能の付いている四角いパネル。

電源を入れると、乾燥の表示ライトを光らせた。


 
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