夏の日差しと狼のいろ。


それから3日間ツキはずっとそこに居た。


何も食べていないし、飲んでいなかった。

空腹と疲れが身体を支配している。


ツキは起き上がるのをやめた。

そしてすっと目を閉じた。


 その時だった。



 「何?アンタ死ぬの?」

そんな声が聞こえた。

ツキはびくっと目をあける。


そこには、女の人がいた。気の強そうな目でこっちを見ている。

黒い髪を二つに束ねている。


ツキは返事もせずじっとその女をみていた。



「返事しなよ」

その女が言いながら近付いた。


「ヴヴヴ…」
ツキは喉の奥で威嚇するように唸った。




しかし女は怯むこともなく近付いてくる。

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