神様修行はじめます! 其の二
「だめだ。今さらもう遅い」

門川君が間髪おかずに答えを返してきた。

あ、聞こえてたんだ。

とゆー事は、あれは一応、幻覚じゃなかったわけね? ふんっ。


門川君はお椀に唇を当て、上品に汁を吸いながら無表情で言った。


「言ったろう? 僕はもう、生涯君を離しはしない」


・・・・・ブッッ!!!


「君は一生、僕の側に居るんだ」

「げほっ! げほげほっ!!」

「絶対に僕は君の手を放さないぞ」

「げえーっほ! うえっほぉ!」


豚汁が・・・豚汁が・・・っ。


「どうした? 天内君?」

「ネ・・・ネギが気管に入ったぁっっ」

「大丈夫か? しっかりしたまえ」


しま子に背中をさすられながら、あたしは畳を掻きむしる。

うおぉぉぉ、悶絶~~~っ!!


咳き込む苦しさと、彼のセリフの恥ずかしさに悶死しそう!!

こんな羞恥プレイってありですかっ!?


黙ってあたしと門川君を見てる絹糸の視線が、さらに恥ずかしさを倍増させる。

あたしは咳をしながら、必死に手と首を横にブンブン振った。

いや、違うのよ絹糸!

そーゆー意味で、彼は言ってるんじゃないのよーっ!
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