神様修行はじめます! 其の二
次の瞬間・・・

ノドから胸にかけて激痛が走った。

すごい勢いで咳き込む。


咳き込むたびに、その反動で息を大きく吸ってしまう。

息を止めようとしても、とてもじゃないけど止められない!

喘息の発作のように咳をし続け、痛みもますます強くなり・・・


カハッという嫌な音と共に、畳に赤い血が散った。


血・・・これ、血だ。

あたし、血ぃ吐いちゃった。

きっともう内臓が腐ってる・・・。


手足がすぅっと冷たくなった。

全身の汗が引く。

プカプカ浮く金魚の姿が、脳裏に浮かんだ。

あたし、もうすぐ死・・・


乱れた足音と共に、すさまじい形相の門川君が駆け寄ってきた。

あたしの体を抱え走り出す。

あたし達の周囲に、眩しく白い輝きが放たれた。


一呼吸置いて、部屋中がすごい破壊音に包まれた。


細く鋭い氷の槍が、何百本も部屋の壁に向かって飛び出した。

壁といい、ふすまといい、障子といい、メチャクチャに破壊される。

爆撃でも受けたみたいに、部屋の壁は崩れてボロボロになった。


彼はあたしを、ほとんど外庭と繋がった壁まで引っ張り呼吸させる。


く、空気っ空気・・・!

汚染されて無い綺麗な空気だ!

登山家が「空気がおいしい」って言うの、あれ本当だ!

いっぺん肺が腐る空気を吸ってみれば、嫌でもよく分かる!


大気汚染って、絶対に地球規模で考えなきゃいけない重大問題だよ!

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