幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
「……久し振りだな。二人とも。拉致していただいた時にはどうも」

「嫌みな言い方ですね」笑う。




「…まあ、それも当然でしょうが」
クスクスと。




「……あ、それが例の陰陽師さん?」

―――すると。



部屋の奥で窓辺に座る男の影が見えた。





「………貴方は…」

「初めまして」
青年は、礼儀正しく一礼した。



「西郷隆盛(サイゴウタカモリ)です。君のことは話に聞いてるよ」


優しそうな青年。

彼こそが薩摩藩を指揮している存在であり、かの有名な「あの」西郷隆盛だ。




長州の木戸孝允と、
薩摩の西郷隆盛。



「ごめんね、ほかのみんなは今いないんだけど…。俺たちだけで事は足りるかな?」

「……はい。十分です」





小野寺は長い髪を揺らした。



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