幕末トリップガール~陰陽少女と新撰組~
第参拾肆章 「未来で」
参拾肆 「未来で」

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「土方歳三は、本来の歴史であればこの戊辰戦争…五稜郭の戦いで戦死する」

青蓮院は刃を向け、走り出した。

この「土方歳三が死ぬ」という歴史は、歪ませない。




「少し予定は変わったけど、貴方には死んでもらう……!」











―――ザンッ!!


空気の切れる音がした。





土方は青蓮院の陰陽道の力によって拘束されている。

彼を斬るのは簡単な話だ。





なのに。






「……………いない?」

青蓮院が刀を振り落とした瞬間、土方はそこにいなかった。



「ど、いう…」

「後ろだ」




―――――――…!?



「おせえよ、馬鹿が」








ザンッザンッ!!!




激しい空を斬る音。
土方の刃が青蓮院の背中を襲った。


「…………くっ」



飛ぶ、赤色。




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