虎猫ゆうゆ。
そんなとき、カタッと
古屋の入口から音がした。
ゆうゆはバッと顔をあげ
耳をそばだてる。
でもすぐに力を抜いた。
馴染みのある、れんのにおいが
鼻にとどいたから。
「れん?こんな夜中にどうしたの?」
まだれんの姿は見えないが
ゆうゆは闇に問い掛けた。
れんの返事はない。
ゆうゆは暗闇を睨み続けー…
同時に食べ物のにおいも感知した。
しばらくじっとしていると
暗い古屋の中を歩いてくる
れんの姿が見えた。
青い瞳が闇の中できらめく。
口に何かくわえて。
「れん?」
ゆうゆは空腹をこらえ
もう一度れんに問い掛ける。
れんはゆうゆの前に来ると
ポトッと口にくわえたものを
ゆうゆの目の前に落とした。
「よかったらどうぞ」
れんはそう言って
ゆうゆの傍に寝そべる。
「…いいの?」
落とされたそれは、からあげだった。
れんはあくびしながら
ひげを震わせて答える。
「ああ。余り物だから」