RUBY EYE
長いようで短い。
十夜は離れると、名残惜しげに目を伏せた。
「一人で出かけるなよ?」
「・・・・・・うん」
キッチンを出ていく十夜を見送り、月野は洗いかけのコップに手を伸ばす。
(どうしたんだろう・・・・・・?)
不安が募る。
「月野ちゃん?」
「は、はいっ」
名前を呼ばれて、月野は慌てて振り返る。
「コップ、いつまで洗ってるの?」
「あ・・・・・・」
椿に言われて見れば、コップは泡に包まれて姿さえ見えない。
「十夜は?」
「出かけました」
「こんな早くから? ・・・・・・昨日の今日だっていうのに、月野ちゃんの傍にいないなんて」
椿はため息をついて、洗い終わったコップを慣れた様子で拭いて水気を取る。
「いえ、大丈夫です」
「・・・・・・」
無理して平気なふりをしているのだと、椿にもわかる。
「一緒に出かける?」
「え?」