RUBY EYE
光彦の声が聞こえたようで、手が震える。
「! ・・・・・・気のせい、ね」
手が、赤く染まっているように見えた。
けど、それは見間違いで。
「・・・・・・夏休みの課題、やらないと」
気を紛らわせるように呟き、月野はキッチンを出て、自分の部屋へ向かった。
約束通り、月野は椿と共に、買い物に来ていた。
「寄りたい所があるなら、行ってきてもいいわよ」
「・・・・・・じゃあ、本屋に」
椿と別れると、月野は本屋へ足を向けた。
本屋の空気とか雰囲気が、月野は好き。
独特の空間は、本が音を吸っているかのように静か。
(お客さん、誰もいない・・・・・・)
あまり大きな本屋じゃないから、だろうか。
「あ!」
「・・・・・・?」
声が聞こえて、月野は視線を泳がせる。
「音無さんだよね? 私のことは・・・・・・知らない、よね?」