RUBY EYE
なんとなく、見覚えがある気がする。
クラスメート、だと思うのだが。
(普段、綾織くんが傍にいるから)
怖がってなのか、誰も話し掛けようとしない。
そのせいか、クラスメートの顔も名前も曖昧だ。
「新田 美沙子。よろしくね」
「・・・・・・音無 月野、です」
屈託なく笑う美沙子に、月野は安堵した。
ヴァンパイアじゃない人―――人間と関わるのが、本当に久しぶりに思える。
「ここ、実家なの。暇なときは手伝ってるんだよね」
「そうなんだ」
ふと、美沙子が興味ありげに瞳を輝かせた。
「聞きたかったんだけど、音無さんって、綾織くんと付き合ってるの?」
「・・・・・・え?」
予想外の質問だ。
月野が首を傾げると、美沙子は笑顔を崩さず話し出す。
「今、学校中の噂なんだよ? 知らない?」
「し、知らない」
美沙子曰く、特進クラスの生徒が、普通のクラスに居るのは、凄く不思議らしい。