RUBY EYE

瞳が妖しく揺らぐ。


「・・・・・・」

「怒ってないわ。でも、おじ様にお願いしないと」


摩耶はベッドに座り、十夜を見上げて微笑む。


「私がいるんだもの。十夜の許婚は、私よね?」

「それは―――」

「十夜の傍にいるのは私。他の女なんて、いらない」


隠そうともしない狂気が、笑顔から溢れる。

そう、7年前の事件は、彼女のこの歪んだ愛によって引き起こされた。

一途に十夜を思う摩耶は、他の女の子が十夜に近づくことを嫌う。

実の妹ですら、十夜に近づけば容赦なく攻撃した程だ。


救急車で運ばれた女の子は、間もなく転校し、今は普通に生活していると聞くが、一時は精神を病んでいた。

それを思うと、今でも胸が痛い。


「ねぇ、十夜」

「・・・・・・?」


不意に、摩耶が十夜の首筋に顔を寄せた。


「・・・・・・女の匂いがするわ」

「!」


十夜は思わず、摩耶から距離を取る。


< 291 / 403 >

この作品をシェア

pagetop