RUBY EYE
あまり顔色が良いとは言えない。
「休んでく?」
「いや。・・・・・・また明日」
十夜は頼りない足取りで、廊下を歩いていく。
「愛理」
心配そうに見送る愛理を、部屋から顔を出した摩耶が呼ぶ。
「な、何?」
「十夜の傍にいる女、知ってる?」
「・・・・・・どうして?」
「だって十夜、嘘ついてるんだもの」
摩耶にはわかった。
あれは椿の匂いじゃないし、十夜は本当のことを言ってないと。
「私、知らないっ」
愛理は逃げるようにその場から立ち去る。
「女の匂い・・・・・・」
ギリ・・・・・・と自分の指を噛めば、真っ赤な血が流れ出す。
「摩耶、部屋へ戻りなさい。ね?」
清香が慌てて部屋へ押し込み、襖を閉じる。
「ねぇ、お母様。十夜のことを教えて。7年間も会えなかったんだから。いろいろ知りたいの」
「そ、そうね」