RUBY EYE

「ところで、坊ちゃんは?」

「部屋に閉じこもって、出てこないのよ」


夕食も、結局食べないままだ。


「十夜は、摩耶のことを今日知ったはずだ。本家に報告が来てた」

「だから、部屋から出てこないのね」


椿がため息を漏らすのと同時に、キッチンに月野がやって来た。


「あら、月野ちゃん」

「何か、手伝うことありますか?」


秦に頭を下げ、月野は椿を見る。


「特には・・・・・・。あ、十夜にこれ持って行ってあげて」


銀色のトレーには、水差しとコップ、それから、おにぎりが乗っている。


「頭痛いって言ってたけど。ま、大丈夫でしょ」


あれは精神的なものだ。

薬を飲んだって、気休め程度にしかならない。


「お嬢さん。坊ちゃんをよろしくお願いします」

「は、はぁ」


月野の頭を軽く撫でると、秦はキッチンを出ていく月野を見送る。


「月野ちゃんに手出さないでよ?」


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