RUBY EYE

「・・・・・・あぁ」


十夜が微笑むと、月野は思わず額から手を離してしまった。

胸がドキドキして、心なしか頬も熱い。


「えっと、大丈夫ならいいんだけど。何か、欲しいものとかある?」

「あぁ」

「何?」

「―――月野」


予想もしない言葉に、月野の動きがピタリと止まる。

これは冗談なのか、本気なのか。


「あ、綾織くん・・・・・・?」

「俺が眠るまででいい。抱きしめさせてくれ」

「・・・・・・う、うん」


縋るような十夜の瞳に、月野は嫌だと言えなかった。

ベッドに横になり、十夜の腕に抱きしめられる。


(様子が、いつもと違う・・・・・・?)


時折垣間見えるのは、恐怖、だろうか。

表現しづらいが、あえて例えるなら、そんな感情だと思う。


「月野」

「・・・・・・ここにいるわ」


十夜の胸に頬を寄せると、抱きしめる腕が強くなる。


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